したり顔の罪悪Ⅰ

 

イチローが歴代安打記録でタイ・カッブを抜いてピート・ローズに続く2位になった。

野球ファンとしてはうれしいことこの上ない。

 

このままイチローが野球を続ければ、ピート・ローズの記録を抜くことも不可能ではない。

そうなればイチローは名実ともに世界の頂点に立つのだ。

 

ところがこの記録が日米通算ということで、素直に評価しない人たちがいるらしいのである。

当然抜かれた側のアメリカにそんな人が多いのだろう、と思ったら、逆に日本の野球ファンに多いのだそうだ。

 

彼らはしたり顔で

「日本とアメリカでは野球のレベルが違うんだから、日本での記録を合算させては失礼である。」

といったことを言うらしい。

しかし、私にはこの論調は極めて不思議に聞こえた。

 

イチローが1シーズン最多安打記録を打ち立てたのは、大リーグで堂々と勝負しての結果である。

そのイチローの野球人生の基礎を作ったのは日本の野球界ではないのか。

 

確かに以前は大リーグと日本の野球との間には、相当のレベルの差があったと思う。

20年くらい前までは、技術でもパワーでもセンスでもとても敵わないと思わされたものだ。

 

つづく