鈍感力のすすめⅢ(おしまい)
私は初めて祖母とハワイに行ったとき、どこへ行っても鹿児島弁で押し通している様子に感心してしまったことを覚えている。
土産物屋では年配の女性店主相手に「値切る」という技まで披露してくれた。
「へぇー、お婆ちゃん凄いね!」
と感心すると、
「ここだよ、ここ。」
と胸のあたりをトントンと叩いて見せた。
つまり、「ハートで通じさせるのさ。」という意味だったのだろう、とその表情が懐かしい。
こっちはそのとき現役の大学生だったので
「文法を間違わない英語はえーと・・・」
などと頭の中でひねくり回していて、なかなか言葉が出てこなかったことを思い出す。
「日本人が英語が苦手なのは声が小さいからだ。とにかく英語はいつもより大きな声で話してみることである。」
と、最近何かで読んで
「へー、そうなのか。」
と思った。
確かにその点では出川は声だけはやけに大きい。
外国で思いを通じさせる第一歩が間違っていないわけである。
この鈍感力、そう簡単に自分の身につくとは思えないが、多少は見習って
「度胸でコミュニケーションを図れるようにしなければなあー。」
と思ったのでした。
おしまい