電卓と決算表

資金繰り危険度をチェックする ~後編~

(2)売掛金の回収に問題はないか

景気が悪くなると、売掛金の回収が当初の取り決めより遅くなっていることがあります。得意先も苦しいことが分かるだけに、回収しづらいと思いますが、何らかの意思表示が必要です。値引き率を上げる代わりに現金取引するなどを検討してもよいでしょう。

(3)支払いサイトが短くなっていないか

仕入原価削減のために支払いサイトを短期化していたり、取引先との力関係と比べても自社にとって不当に不利な条件になっていないかをよく確認しましょう。

(4)在庫は適正か

売れ残りなどで、在庫が過剰になっていれば、早めにバーゲンなどで現金化することも検討しましょう。製品・商品以外にも材料などが過剰になっていることもあります。

(5)不要な設備投資などはないか

設備が過剰になっていたり、遊休資産があると、維持管理費、固定資産税などのコストが膨らみます。遊休の施設・土地の売却や賃貸による資金化も検討する必要があります。事業に関係ない貸付金や有価証券も資金繰りを悪化させるので、チェックしてください。

(6)販管費、広告宣伝費等に無駄はないか

人員数や人員配置は適正かどうか、広告宣伝費・交通費・交際費の3Kなども見直す必要があります。この場合、たとえば、外部委託していた業務を経費削減を目的に社内業務に切り替えたところ、かえって手間と時間がかかり、コスト増や営業力低下を招くこともありますので、費用対効果をよく検討してください。また、社長の公私混同による過大な支出(社長交際費、社長への貸付金、資産購入等)も資金繰りを悪化させるので注意しましょう。