電卓と決算表

決算に向けての確認事項 ~前編~

●CHECK1 決算期末日に現金残高を金種別に把握する●

 実際の残高と帳簿上の残高に差異があるときは、その原因を究明します。状況に応じて役員賞与や貸付金に処理される可能性がありますので、注意しましょう。

 ●CHECK2 預金と借入金の残高証明書を入手する●

 定期預金、定期積金などが満期になっていないか、受取利息の計上漏れはないか、普通預金も含めて金融機関ごとに証書や通帳と照合し、金額が元帳残高と一致しているかどうかを確認します。借入金は、借入先ごとに残高と利率を確認します。

 ●CHECK3 決算期末日に実施棚卸を行う●

 倉庫業者に預けている在庫、売上先に輸送中の商品や、未着品、期末の戻り品などが、よく見落とされているので注意してください。実施棚卸の際、記入した棚卸表やメモ等も保存しておきます。切手や、収入印紙などの金券類についても棚卸を行います。

 製造業や建設業では、仕掛品に注意しましょう。決算日時点で、製造中の製品、工事中で未完成なもの、引き渡しがまだなものについては、それまでにかかった費用が仕掛品や未成支出金になります。

 ●CHECK4 売上、仕入れを確定させる●

 請求書締め切り後の売り上げや仕入れでも、決算期末日までのものは計上しなければなりませんので、仕入れについての請求書を早めに取り寄せたり、売上の納品書を用意して確認します。売上値引きや返品が確定しているものは、必ず期末までに取引先に通知してください。