電卓と決算表

通勤手当、旅費交通費を点検していますか? ~後編~

●役員の出張手当の相場は3,000円~5,000円

 旅費交通費では、特に出張費用について、多くの企業がその削減に取り組んでいます。事前に出張申請させて、その必要性、期間、人数等を吟味して、最低限の費用で出張を行ったり、新幹線や航空機を利用するときには回数券や安売りチケット等を使用するなどの工夫を行っています。

また、7割の企業が、出張の際に日当を支給しており、支給額の平均相場は、社長・取締役が3,000円~5,000円、その他の社員が2,000円から3,000円という調査データもあります。

●通勤手当、旅費規程を整備し、正しく運用する

 通勤手当や旅費交通費については、支給基準があいまいで、規定として整備されていなかったり、規定内容が作成当時のままで、実情に合わなくなっていることもあります。社員間の不公平や事務の繁雑さを防ぐ意味でも、通勤手当や旅費交通費を見直し、規定としてもきちんと整備しましょう。

【旅費交通費のチェックリスト】

1.営業時の交通費が、通勤経路と重なる区間については、交通費を支給しないことにしているか?

2.タクシーを利用した場合は、旅費交通費清算書等に同乗者や事由等を記載させているか?

3.出張申請書に、出張の目的、交通手段、費用等を記載させ、その必要性を検討したうえで許可しているか?

4.宿泊費は、上限を定めて実費精算とし、領収書の提出を求めているか?

5.新幹線・航空機等を利用する場合、安価なチケット使用を認めており、実費精算として領収書の提出を求めているか?

6.出張旅費、交通費の精算は、すみやかに行われており、申請期日は守られているか?

●通勤手当は、税務と社会保険で取り扱いが異なります!

 通勤手当は税務上は非課税(一か月10万円まで)となりますが、社会保険・雇用保険については、通勤手当を含めた金額で保険料を算定しますので注意しましょう。