電卓と決算表

修繕費と資本的支出(減価償却)の判定方法とは

 

不調となった機械の修理、社屋や店舗の屋根、外壁、内装のメンテナンス、ソフトウェアのバージョンアップなど、現在利用している資産を修理・改修することがあります。修理等に支出した費用が修繕費なのか資産として計上すべきものなのかはその内容によって判断することとされています。今回はその判定方法をご紹介致します。

 

大まかな判定方法

 

①修理代としてかかった費用が20万円未満であれば、機械や建物の内容にかかわらず、修繕費として経費(損金)処理できます。

 

②修理等の内容が「通常の維持管理、原状回復」「修理等が概ね3年周期で行われている」であれば、その費用の大きさにかかわらず、修繕費として経費(一括損金)にすることができます。

        ↓①、②共に該当しない場合は、

資本的支出として固定資産に計上し、その後一定の期間で減価償却として経費処理します。

 

しかし、「通常の維持管理、原状回復」と思っていても、

「価値や性能・耐久性を向上させる修理・改良」である場合も多くあります

 

例えば、マンションや事務所の外壁塗装でも、塗装材として特別に上質な材料を用いたものであれば、資本的支出とみなされます。

また機械の場合、部品の新品交換で修理を行う事もよくあります。この場合部品が前回の部品と同様の物であれば現状回復の修理に当たるように思われますが資本的支出としての判定をされる場合もあります。その修理を行うことで使用可能年数が伸びないか、重要箇所(エンジン等)の交換修理でないか内容をきちんと把握しておく必要があります。

 

きちんとした判定をするためには・・・

まずは事前準備を行い、下図のフローチャートを確認しましょう。

修理等に支出した費用が修繕費か、資本的支出になるかの判定は判断フローに基づいて判断することが出来ます。

 

事前に準備するもの▼

・修理等実施前の写真

・修理等を必要とする理由が記載された稟議書等

・修理等の詳細が明確にわかる書類(工事見積書や工事請負契約書等)

 

修理が終わってから準備する書類▼

・修理等実施後の写真

・修理等の工事が完了した日が分かる書類、請求書等

・3年以内の周期の処理等が明確に証明できる書類。請求書等(当てはまる場合のみ)

 

修繕費と資本的支出のフローチャート

 

※フローチャートの画像はクリックして頂くとA4サイズで印刷出来ます。

 

参考事例

 

①車両に常時搭載する機器を取り付けた

ETCシステムやドライブレコーダー等を新たに取り付けるために購入した場合、これらの機器は、車の一部とみなされるため、単独の資産の取得にはなりません。

20万円未満であれば修繕費、20万円以上であれば資本的支出として資産計上が必要です。

 

②消費税軽減税率対応のため、POSレジ等のプログラム修正をした

消費税の軽減税率に対応する為など、利便性の維持に必要不可欠な内容であれば修繕費となります。

ただし、「ついでに新機能を追加した!」「なくても問題ないけれど、こういった機能向上を行った!」という場合は、作業料金を別途記載してもらいましょう。通常の利便性を維持するためのものではない新機能や機能向上については資本的支出となります。

 

③蛍光灯をLEDに取り換えた

LEDによって省電力・長寿命が高まったとしても、建物附属設備としての価値等が高まったとまではいえないと考えられる(国税庁の見解)ことから、修繕費として処理することができます。

 

修繕費の判定は難しい部分が多くあります。その為税務調査では必ずチェックされる項目となっていますので、内容の把握やフローチャート等を利用し、きちんと口頭で説明出来るように準備しておきましょう。