不信心者のお祈り―東京での一日、極めて健康的な世界―Ⅱ
東京での一日は、歩いて20分ほどの「有栖川記念公園」で、以前からの固定メンバーであるご老人たち(おそらく近隣にお住いの)と一緒にラジオ体操にチャレンジすることから始まります。
飲み過ぎた次の朝などは、結構きついものがありますが、ラジオ体操第2まで何とかこなして、私はすぐにその場から次の目標地へと向かうのです。
まあともかく、そうやって体操を終えたならば、再びマスクをつけて歩き始めます。
公園を横切って、北側の端っこにある門から外に出ます。
公園の中では、途中、どんぐりがいっぱい落ちている遊歩道を歩きます。
道に落ちたドングリを足で踏むと、ベキッという音とともに実がつぶれます。
私はできるだけ踏まないように歩きたいのですが、どんぐりと土の色は同じですので、なかなか見分けがつきません。
心ならずも、どんぐりをベキッベキッと踏みしめながら歩く羽目になるのです。
さて、北口の門を出たあとは、真っ直ぐ六本木ヒルズ方面へと向かいます。
途中、中国大使館の前を通るのですが、手前の路地角などを含めて何人もの警官が周辺を警備しています。
中国との微妙な関係を配慮してのことでしょうが、一体、年間どれほどの警備費用がかかるのだろう、と想像してしまいます。
中国大使館の前を通り過ぎると、私は道路の反対側に渡って、櫻田神社へと向かいます。
櫻田神社では、いくばくかのお賽銭を投じて、家内安全や商売繁盛を祈願します。
本来、神社ではそういうことをお願いするものではない、と聞いていますが、普段不信心であまり真面目でもない私が
「まあ、できることならよろしくお願いします。」
ということで毎朝お祈りしているのです。
櫻田神社を出ると、六本木ヒルズを左手に見ながら、けやき坂をヒルズ下の交差点に面した立地のスターバックスを目指すのです。
坂は下りなので、歩く足はどんどん速くなります。
速足で歩くのには理由があって、7時の開店時間に間に合いたいからです。
ラジオ体操が終わるのが6時45分。
櫻田神社に寄り、急いでスタバを目指すのですが、開店の7時にはいつもギリギリで間に合います。
開店と同時に店に飛び込めば、いつも狙っている自分の好きな席を確保できます。
私の狙っている席は、他にも確保したい人がいるのでうかうかしていられません。
2,30分もするとスタバの席はたちまち埋まってしまいます。
スタバの端っこに座っています。高級素材のトレーナーやパーカを売っていました。
つづく