自らのマーケットを地域エリアから脱する―地方企業の2極化、経営者のマインドが企業の趨勢を決める―Ⅰ

地方の企業及びその経営者を顧客に仕事を進めていますと、次第に2極化が進行していることに気がつきます。

もちろん、過疎化高齢化に歯止めが効かない中、全体として厳しい状況にあることは間違いありません。

 

基本的には、廃業を選ぶ企業や事業を縮小する企業が多く見られるのは確かです。

ところが、そんな中でも、元気のある企業が少しずつ表れ始めているのです。

前述のように、全く活気が見られず、廃業を待つだけの企業が多い中で、その逆の企業も出始めていることは事実です。

この差は、いったいどこからくるのでしょうか。

 

過疎化高齢化・・と書きましたが、地方の場合、それが常態化しているので、狭いエリアでのマーケットにはおのずと限界があります。

購買人口が少なく個々の購買力も低いので、ここだけを相手にしていたのでは、ビジネスの明るい展望など望むべくもありません。

 

それに対して、元気があるのは、ほぼ例外なく自社が対象とするマーケットを、狭いエリアから突破して広く設定している企業です。

つまり、それまで商圏としていた地域エリアを脱して、その外からの購買や受注に成功した企業は、総じて業績が向上しているのです。

 

コロナ禍というだけではなく、地方では恒常的に経済が停滞しています。

これに対して、都会ではグローバル企業を中心に大きくビジネスが動き常に活発化しています。

 

ということは、これらの大手或いは中堅企業と何らかのパイプを持つ地方企業も動きは活発なはずです。

つまり、その活気に引っ張られて事業が活性化しているのです。

 

こういった地方企業は、自らの意識も次第に変えつつあります。

昔のようにナアナアで仕事をしませんし、納期や品質管理などの契約や約束事もきっちり守るようになってきています。

 

こんなことは、考えてみれば当たり前のことだったのですが、こういったビジネス上の守るべきルールなどがかなりユルユルだったのも地方経済の特長だったのです。

 

 

つづく