果敢に挑むのか否かでその後の事業人生が変わってくる―「情報発信」によるキャリアの作り方―Ⅴ(おしまい)

30年ほど昔、東京で友人といっしょにマーケティングリサーチの会社を起業した私。

当時、ネット環境などまるでなかったので、売り込み方法はDM(ダイレクトメール)のみという極めてアナログな世界でした。

 

あの頃、今のような「情報発信(アウトプット)」手段があれば、まだ珍しかった「マーケティング」というビジネスを、世間に周知するためにあれほど四苦八苦しなくて済んだかも知れません。

「ハッタリ」という手を使わなくても、情報発信(アウトプット)」を、きちんと続けていくというやり方で、こちらの実態以上に評価される可能性を引き出せたのではないでしょうか。

 

ただ、それを続けていて、わが社の力量を超えるようなオファーがあったとき、或いは想定外の案件を打診されたときどうするか、です。

「情報発信(アウトプット)」にはそういった期待危険性の両方があるのです。

 

前述のように、私は、昔そんな打診があったとき、当時の仲間とともに果敢に挑みました。

そうすることで、かなり短い時間でマーケティングのノウハウを身につけることができたのです。

 

「情報発信(アウトプット)」を続けていると、期せずしてそういう大きな案件、或いは難しい案件に遭遇する可能性が高くなります。

その時、その案件に背中を見せずに、何とか頑張って挑戦し、それをこなしていければ、比較的短期間に飛躍的に成長することができるのです。

 

とはいえ、正直言ってこれは、誰にでもお勧めできる手法ではありません。

かなり前向きでチャレンジングな性格や志向がなければ実現不可能ですし、またリスキーなやり方でもあります。

世の中には、堅実な仕事を確実にコツコツとこなすのを得意としている人もいるでしょうから、そういうタイプの人はそれでいいと私は思います。

 

しかし経営者であれば、どこかで大きくチャレンジしなければならない場面というのは必ずめぐってくるものです。

そこで果敢に挑むのか、回避するのかでその後の事業人生は変わってくるのではないでしょうか。

 

私は、「情報発信(アウトプット)」を続けていれば、そういったチャンスが巡ってくる可能性は高いと思っています。

そんな、おそらく自分の力量を超えているであろうチャレンジングな案件を、是非とも臆することなく迎え撃ってもらいたいと思っています。

 

 

おしまい