「わかっているけど難しいこと」って?!?―「唯一無二」を伝えることの難しさ―Ⅲ

セミナーにおける「集客」は、思うようにいかず苦労するところです。この集客が比較的簡単なのは「易しいけれど、知らんこと」になります。

「易しいけれど、知らんこと」を代表するのが、なんといっても「語学」でしょう。

 

何億人もの人が普通に使っているにもかかわらず、英語を難しく感じるのは、単に日常でそれを使う習慣が日本人にないからです。

だから、巷の英会話教室などには、老若男女問わず大勢の人が集まります。

 

これに対して「集客」が大変なのは「わかっているけど難しいこと」になります。

これが、専門職のコンサルタントが提供するセミナーなどの内容に最も近いイメージではないかと思います。

 

「えっ!『わかっているけど難しいこと』って変じゃない?わからないことを教えるのがコンサルタントじゃないの?!」と、少し不思議に思われる方がいるかも知れません。

しかし、よく考えてみてください。

難しい法律などの制度や特殊な技術系のセミナーでもなければ、普通の人が全く知らないことを0(ゼロ)から教える、ということの方がむしろ少ないのです。

 

また、そういったことを教えるのはコンサルタントではなく、その道の専門家(プロフェッショナル)ということになります。

もちろん、その道のプロフェッショナルがコンサルティングを行なうこともありますが、この場合のプロフェッショナルとコンサルタントは分けて考えたいと思います。

 

コンサルタントが伝えるのは、そういった特殊な技術や知識といったものではありません。

例えば「組織運営上何となくモヤモヤしていたのが、聞いて目からうろこの斬新な切り口」とか、「社員との関係性についてどう考えたらもっと風通しがよくなるのか」とか、「現代経営における組織の仕組はこんな風に作る」といった内容が多いのではないかと思います。

 

つまり、経営者が全く知らなかったことを教えるのではなく、「課題として感じてはいたけれど、どうすればいいのかがわからなくて悩んでいた」といった内容のものが多いのです。

これはまさに「わかっているけど難しいこと」といえるでしょう。

 

また、この「経営者の悩み」という課題は多岐にわたっているために、その解決法を伝えようとするセミナーも、その課題にジャストフィットしなければ聞く意味がないことになります。

こういった背景があるために、専門コンサルタントのセミナーは、集客が難しいのです。

 

        こういうのは、一般的な知識として聞いていただきたいテーマです。

つづく