ジョブ型雇用を積極的に採用すべき―PM(プロジェクトマネージメント)的発想で仕事を考えてみる― Ⅷ(おしまい)

日本企業にとってあまり得意とは言えないPMを推進する有力な手法として設置されたPMO(プロジェクトマネージメントオフィス)でのビジネスを経験したことのある私。

そのときは、PMOの別の呼び方でもあるプロジェクトルーム或いはウォールームとして準備されていた都心の賃貸マンションを司令室として、大きなプロジェクトの事前調査を行なったのです。

 

当初1000億円という途方もない事業予算だったこのリゾート開発プロジェクトは、調査するにしたがってその需要が見込めず、成立させるのは厳しい予測となりました。

このときはPMの手法というよりは、この計画に携わった企業の「本気度」はどうなんだろう?と、事業計画の甘さや送り込んできたスタッフのスキルに疑問を持ったことを覚えています。

 

さて、この記事では最後に日本企業の組織文化にも触れています。

今後、日本企業が世界と戦っていくには、この組織文化の意識改革こそが重要であるという意味で、次のように締めくくっています。

 

― 同時に高橋氏はトップこそが、組織文化を変えるためにも、PMについて学び、PMを活かすために組織をどのように設計するのか、そうした組織づくりの基本に立ち返って考えることが必要だと語る。

「そのためにもジョブ型雇用をもっと積極的に採用すべきだと考えています。

日本の大企業は社員を新卒一括採用して育て上げ、幹部に登用していくシステムを戦後一貫して続けてきました。

しかし、その体制を今こそ、覆していかなければならない。

転職を当たり前にし、キャリアを築いていくという雇用体制に移行し、PMを機能させていくことが必要なのです。

グローバル化やデジタル化が進む中、そうしなければ、もはや企業は生き残れないのです。

今こそ、組織文化を変える。トップはそう肝に銘じるべきです」―

*ジョブ型雇用:職務内容を明確に定義して人を採用し、仕事の成果で評価し、勤務地やポスト、報酬があらかじめ決まっている雇用形態のこと。

 

ここで言われている「転職を当たり前にし、キャリアを築いていくという雇用体制・・」というのは、日本の場合、企業側も働く個人の方もそういった意識を明確にもつというのは、まだなかなか難しそうです。

 

しかし、そういった雇用形態にシフトし、もっとPMを機能させなければ生き残れないというこの記事の指摘は、企業の大小を問わず、考えていく必要があるのではないでしょうか。

 

つづく

 

今日の川柳コーナー

◆巣ごもりで 料理の腕は 上がったが・・

◆レジャー服 そのまましまう 衣替え

とにかく、家にいたので、料理はよくしましたし、

外に出かけることもなかったので料理の腕は上がりましたが、

カジュアルな服を着る機会はあまりありませんでした。