哲学、美学、或いは美意識などが求められ始めている―社長の「情報発信(アウトプット)」は「質」が問われる時代―Ⅰ

私はこれまで「情報発信(アウトプット)」の大切さやその現代ビジネスにおける効果などを、時代が要請しているその背景といったマクロ的な視点や、発信のテクニックといった具体的な手法までを含めていろいろな形で述べてきました。

ここでそろそろ、こういった「情報発信(アウトプット)」の「質」について考えてみたいと思います。

 

というのは、私がこれまで述べてきた「情報発信(アウトプット)」とは別に、現代経営に極めて必要かかつ重要な要素として、哲学、美学、或いは美意識というものが求められ始めているからです。

これは何も、それを専門とする学者やその道の専門家が、自分の得意分野に引き込もうという意図で言い始めたことなどではありません。

 

これは、世界の多くの経営者たちが、自分自身に必要な素養として気づき始めた一つの大きな潮流ともいえるほどの現象なのです。

それは、効率性や合理性、それを支えるテクノロジーというものが極度に発達してきた結果、様々な障害が起きているためと考えられます。

 

それはいったいどういったことなのでしょうか。

 

例えば日本の場合、少し古い話になりますが、百貨店「そごう」を一時期の経営危機から救い、日本一の店舗数まで引き上げた水島廣雄氏などはそのよい例ではないでしょうか。

彼が経営者としてのカリスマ性を誇った全盛時代は、彼が講演をするとなると、外国からの聴講者を含めて会場は立ち見が出るほどの盛況だったと伝えられています。

 

しかし、バブル崩壊の後、そのビジネスモデルが「そごう」の実質的な倒産を招いたのだ、と一転して水島氏の評価は地に落ちました。

彼に優れた経営哲学があったのかなかったのか、いまだに意見の分かれるところですが、少なくとも、効率性を極限にまで追求した拡大路線は破綻したのです。

 

 

つづく

 

 

今日の川柳コーナー

大相撲のテレビ画面、土俵よりもその向こうに

◆画面越し 向こう正面 謎の美女

◆関取を 人気でしのぐ マスク美人

どうも余計なことばかり考えているようで・・・・