二刀流を実践している―追求すべきは「専門性」に裏打ちされた「独自性」―Ⅲ
専門性を売り物にするという意味では、よく似た立場なのがコンサルタントと税理士という専門職です。
ところが、両者の在り様は極端に違っているという事実があります。
この違いはいったいどこから来るのかと言えば、そのポジションが制度に裏打ちされているか否か、ということになります。
つまり、「申告納税制度」という国の根幹をなす制度の上に完全に成り立っている税理士と、あくまでも完全な民間の立場で、独自性を追求するコンサルタントでは、その立ち位置が大きく個なるのです。
さて、私は、税理士として20名の職員を抱えながら税務の専門性を顧客に提供しているという立場と、日本でおそらく唯一の「経営者による情報発信戦略の構築」のコンサルタントという立場の二刀流を実践しているわけです。
そのために、ここまで述べてきましたような、両者の際立った違いも自ら認識できる立場にいるのです。
ところで、そういった二刀流の立場から、「経営者による情報発信戦略」というものを考えた場合、それはいったいどうあるべきなのでしょうか。
税理士のように一般的に認知されている専門知識の深さを提供すべきなのか、コンサルタントのように唯一無二の独自性を標榜すべきなのか、どちらを目指すべきなのでしょうか。
どちらが正解なのでしょうか?
これは結構難しいテーマです。
業種によっても事情が違いますし、置かれている立場によっても考え方はいろいろでしょう。
ただ、はっきりしているのは、いずれにしても自らの専門性を伝えていく、ということです。
社長が自分の所属している業種、業界の専門性を伝えないでいては、「情報発信(アウトプット)」の意味がありません。
ご自分の専門性に裏打ちされた「情報発信(アウトプット)」だからこそ、それは意味のあるものであり、多くの人の興味を引くのです。
ということは、逆に言えば、そこが担保されていなければ、税理士の発信する情報もコンサルタントの発信する情報も大して意味のないことになります。
つづく
今日の川柳コーナー
お題は「通販」
◆巣ごもりで 通販だけが 俺の友
◆2流女優 再就職は 通販で
◆こんなもの なんで買ったと 自問する