制度に乗っかっているか否か・・―追求すべきは「専門性」に裏打ちされた「独自性」―Ⅱ

 

独自性を重んじるコンサルティングという仕事は、唯一無二である代わりに、この世界でジャストフィットする対象者もかなり限られるタイプの職業でもあります。

一方、税理士は、日本には申告納税制度という大原則があるために、この税の専門家が世の中からいなくなったら結構困ることになります。

 

専門性を売り物にするという意味では、コンサルタントも税理士も似たような立場ですが、両者の在り様は極端に違います。

この違いはいったいどこから来るのでしょうか。

 

それはなんといっても、上記のように制度に裏打ちされているか否かによるのです。

この背景の違いは大きいといえましょう。

 

日本の場合、税務申告は、憲法にも定められた極めて厳粛な制度として根付いています。

納税は国民に課せられた強い義務の一つなのです。

 

にもかかわらず、税制は複雑さを極めています。

そのために、素人、特に中小零細企業の経営者にとって、自主申告制度というのは、自分で行なうにはかなり荷が重い義務になっています。

 

つまり、税理士の持っている専門性というのは、国家資格に裏付けされた税務申告という制度を支えるためのいわばセーフティーネットの役割を果たしているのです。

この小難しい税務申告という作業のために、サポート役として税理士という税の専門家が全国津々浦々に存在しているわけです。

 

一方、独自性を売り物にするコンサルタントが提供する専門性は、別に制度的に要求されているものではありません。

当たり前の話ですが、そのコンサルティングを受けても受けなくても誰にも咎められることはないのです。

 

ただし、そのコンサルティングが我が社の問題解決にジャストフィットした場合、その効果は計り知れないものになります。

それは、期せずして他社との大きな差別化を図ることになるからにほかなりません。

 

つまり、独自性の強いコンサルティングはその希少性ゆえに価値があるのです。

逆にそのために、出会いのチャンスを見つけるのが極めて難しいという特徴を持っている、といえましょう。

 

 

つづく

今日の川柳コーナー

自粛生活が続く中、「接待交際費」が懐かしい・・・;つД`)

◆交際費 使えぬ日々よ いつ終わる

◆交際費 減ってにっこり 経理嬢 (カミさんだったりして・・)

◆まだダメよ 遥かに遠い 交際費

以上です。