社会人と学生とでは学習要領が違う!―口説いてみればわかる、百の理論より一回の実践の方が勝っている理由―Ⅱ
学生を卒業して何十年も経つと、学校へ通っていた頃優等生だった人間が、案外さえないポジションだったり、劣等生の極みみたいだった奴の羽振りがよかったりと、人生模様に差がつくのはどうしてだろうか・・・
よく考えてみると、そこはひたすら「実践力」の違いによるのではないか、というのが今回のテーマなので、ここのところを掘り下げてみたいと思います。
そもそも、学生時代の学習要領と社会人になってからの学習要領とでは、その内容がまるで違います。
取り組み方が異なるために、学生時代のやり方を持ち込んでもあまり効果がないのです。
その違いについて極端な言い方をすればこうなります。
『学生はペーパーの上に印刷されている知識をひたすら記憶すれば良い点が取れる。
一方、社会人は対人間の関係性の中でどうすれば仕事上の目的が達成できるのか、常に工夫することが求められる。』
ということではないでしょうか。
つまり、学生時代はひたすらペーパーの上という2次元の世界が主戦場だったのに対して、社会人になってからは対人関係という3次元の世界で戦わなければ済まないことになります。
どちらがより難しく高度な世界であるかはいうまでもありません。
しかも、この戦いの場は、ただ物事を記憶したり考えているばかりでは通用しないのです。
なんといっても、常に実践が伴なっていなければ結果を出すことはできません。
社会人になったならば、この「仕事上の成果」というものが必ず求められるのです。
なおかつ「仕事上の成果」は自分ひとりで独占するものではなく、会社などの組織単位で共有されるのです。
その点が、自らの努力だけで点数を稼いでいればよかった学生時代と大きく異なる点なのです。
したがって、いくら知識や理論が備わっていても「実践力」がなければ、成果につながることは決してありません。
社会に出てから、学生時代勉強ができた、というだけでは通用しなくなるのは、こういう原因によるのです。
対人関係がものを言う世界。
つづく