四面楚歌の中での奮闘―トランプ大統領は何と戦っているのか―Ⅰ

日本においてもアメリカにおいても、ほとんどのマスメディアは、アメリカ大統領の選挙はバイデン氏の勝利で終わったかのように報道している。

しかし、私がいろいろと調べている限りでは、まだ情勢は混沌としていてわからない、というのが今の正確な現状である。(11月23日現在)

 

今は、ネット等を通じて、マスメディアでは報道されていない様々な重要な情報にアクセスすることができるのだ。

興味を持っていろいろと調べているうちに、面白いというか不思議なことに気がついてきた。

 

というのは、トランプ氏はアメリカ大統領という世界で最も強大な権力を持つ立場にありながら、周りは敵だらけという現実である。

同じ政治分野の民主党はさることながら、最大の敵は主要マスメディアであり、産業界や最近では彼の強力な発信媒体であったネット業界も彼を敵視し始めた。

 

それだけではなく、FBIやCIAといった政府機関の中にも敵対する勢力があるらしく、味方ばかりとは限らないようだ。

さすがに軍は、最高司令官である大統領に表立って逆らうことはないと思うが、嫌っている人間は多いのかも知れない。

 

これほど四面楚歌の状況で、よくあれだけ奮闘しているものだ、とも考えられる。

それにしても、なぜそれだけ敵が多いのだろうか、と考察してみた。

 

そうして、極めてざっくりとではあるが、私なりにある公式が見えてきたような気がする。

それは、珍しくもない昔からよくある「エリート対叩き上げの戦い」ということである。

 

トランプ氏くらい登りつめると、一見エリートの方に所属するように見えるが、欧米社会のように階級的区別が強い世界では、もっともっとエスタブリッシュメント的な意識を持った連中が多いのではないだろうか。

 

政治のトップを目指す人間もメディアや産業界、ネットの世界のトップに君臨する人間も、ある種特権階級であり、トランプ氏のような叩き上げの価値観とは馴染まない。

その予定調和の世界に、庶民的な価値基準を持ってズカズカと入ってきたのがトランプ大統領だった、という図式なのだろう。

 

 

つづく