既得権や利権によって世界を独占しているエスタブリッシュメント―トランプ大統領は何と戦っているのか―Ⅱ
エスタブリッシュメント的な意識を強く持った連中、中でも政治のトップを目指す人間、メディアや産業界、ネットの世界のトップに君臨する人間などは、特権階級であり、トランプ氏のような叩き上げの価値観とは馴染まない。
その連中の予定調和の世界に、庶民的な価値基準を持ってズカズカと入ってきたのがトランプ大統領だったのだ。
もちろん私は、庶民派の方が良くてエリートの方はダメだ!というような単純な図式で物事を捉えるつもりはさらさらない。
それぞれがそれぞれの得意な分野で活躍なり実力を発揮すればいいだけである。
ただ、アメリカの場合特権階級が極端になり過ぎた。
既得権や利権の世界を独占しているがために腐敗しやすい構造になっているのだ。
そこにメスを入れ、ぶち壊しにかかったのがトランプ大統領だったのだろう。
そのために、「彼はアメリカを分断国家にした張本人だ。」といった言われ方をしている。
しかし、私から見れば、なりふり構わず分断を図ったのは他でもない、彼を敵視するメディアの力が大きかったのではないか、と思うのである。
実際、報道しない自由という汚いやり方を駆使したり、かなり歪曲した報道の仕方をしたりと、相当おかしなことになっている。
これはアメリカに限らず、日本も同様である。
今のマスメディアによる報道の偏向ぶりは、傍で見ていても「いったいどうしっちゃったの?」と、首をかしげたくなるくらい極端である。
メディア批判は前回のシリーズで書いたので、ここでは繰り返さないが、その傾き具合は日を追うごとに激しくなっているようだ。
私は税理士という職業柄、多くの経営者を見てきた。
彼らは例外なく自分の力で稼いでいる。
他人にたかったり、理不尽なやり方で他人から収奪しているわけではない。
トランプ大統領は、もとは実業家である。
経済人である彼も同様に自分の力で稼ぎ、登りつめてきた。
この「自分で稼いできた」という点が極めて重要であり、ここが政治の世界で多くの敵を作ってきた要因でもあるのだろう。
つづく