30秒以内でやってみせるよ!!―或るバーテンダーとの会話・・・マスク美人の話―Ⅴ
息子と連れ立って訪れた行きつけのカウンターバー。
美人を形容する言葉について、老バーテンダーとあれこれやりとりしていると、それまで黙って聞いていた息子が、この話題に参戦してきた。
彼は、今回の話の内容よりもその「検索のやり方」に興味を示したようだった。
息子(以下「子」と記します。)が次のように尋ねてきた。
子:ねえ、お父さん、これ調べるのにどれくらい時間かかったんだよ?
私:そうだなあ。
どんなキーワードで調べたら知りたい内容にたどり着けるか、あれこれ苦心したから、30分くらいかかったかな あ・・・
子:ふーん、そんなに時間かかるんだ。
俺だったら、それくらいの検索30秒以内でやってみせるよ。
私は『へー、妙な切り口で、優劣をつけにくるもんだ。』と思いながらも
私:じゃあ、調べてみろよ。
子:えーと、テーマはなんだったっけ?
私:「美人を形容する言葉」「美人を表現する言葉」だよ。
子:OK、じゃあやってみるね。
と言うなり、息子はカチャカチャとスマホをいじり始めた。
そして、10秒も経たないうちに
息子:ほら、これだろ。さっきからしゃべっていたのは。
と、手にしたスマホを私の方に示したのである。
画面を見てみると、昨日、私がようやく探し当てた検索結果のページと同じものが表示されていた。
私:ほう、えらい早く見つけたもんだな。
まあこういうところは、確かにお前たち世代の方が長けているな。
感心するところ半分、悔しまぎれ半分のやや複雑な気分でちょっとだけ褒めてやった。
と、そこへ老バーテンダーが話しかけてきた。
バ:どれどれ、その画面を見せてもらっていいですか?
私:どうぞどうぞ、これです。
と言って、息子が探り当てたスマホの画面を示した。
老バーテンダーは「ふーむ・・・」と、しばらく画面を観ていたが
バ:なるほど、便利な世の中になったものですな。
ここうやって、いろいろなことが即座に分かる。
酒の席の知的会話は楽しいものでして・・・・
つづく