カウンター越しの知的会話?!?―或るバーテンダーとの会話・・・マスク美人の話―Ⅳ

美人を表す言葉にはどんなものがあるのだろう?という疑問から始まった今回の言葉の探索。

調べてみると、いろいろな表現があってなかなか面白い。

四文字熟語によって表されたそれは、いずれも含蓄のある内容で、せっかく調べたその言葉を、私は愛用のノートに手書きして、件(くだん)の老バーテンダーがいる行きつけのバーへ持参したのである。

 

さて、晩秋の街中(まちなか)をあちこち歩いて、いつものバーに到達した私は、その乾いたのどを潤すために、まず一杯目に店の売り物であるハイボールを頼んだ。

このバーは、普段は夜7次の開店だが、日曜祭日に限り、昼の2時からオープンしているのだ。

この日は祝日だった。

 

さて、いつものと違うのは、その日、一緒に昼飯を食った息子を連れていたことである。

「昼間っからなんだよ?」

と、いぶかる息子を無理やり連れてきたのだ。

 

スパイスの効いたハイボールをのどに流し込み、一息つくと、私は例のノートを取り出して、老バーテンダーに声をかけた。

 

私:先日、お話していた『美人を表現する言葉』について、帰ってから調べてみました。

 どんな風に調べたものか、結構四苦八苦しながら、インターネットで探ってみました。

 2,30分いろいろやっていたら、面白い物がいくつか見つかったので、今日はそれを書き写したものを持参しました。

バ:ほう・・それは興味深いですな。

 で、どんなものがありました?

私:いくつかあったので書いてみたのですが、このように口元、特に歯に焦点を当てたものが多いようです。

 

老バーテンダーは、私のノートを受け取るとじっと見ていたが、やがてスマホを取り出すと、それに書き込み始めた。

彼も自分の知識のアーカイブに、今回のことを加えるつもりらしい。

 

彼は私より10歳ほど年上である。

10歳年上の彼がデジタルで記録し、逆に年下の私が完全アナログの手書きでノートに書き記す。

カウンター越しに繰り広げられるこのギャップが面白かった。

 

と、そこへ私の息子がようやく会話に参戦してきた。

 

     一杯の飲み物が喉を潤す。これはバーに到達する前、レストランでのの食前酒。

 

つづく