四文字熟語で表す美人の条件―或るバーテンダーとの会話・・・マスク美人の話―Ⅲ
街に出てみると、90%以上、いや、そんなもんじゃなく、97%くらいの人がマスクをして歩いている。
当然、顔はマスクに隠れて半分しか見えない。
それが特に女性の場合、見えない部分は妙に想像を掻き立て、見えている部分の評価はなぜだか高くなる。
というような世の中の事情を受けて、行きつけのバーで、老バーテンダーと
「近頃、マスク美人が多くなりましたね。」
という話題から始まった、今回の美人談義。
その美人を表現する言葉にどんなものがあるか調べてみたら、これが実に面白い。
四文字熟語でいろいろな表現が成されていた。
特に今回の場合、顔のパーツを取り上げて、美人を表現しているものはないか、興味があったので調べることにしたのだが、そうすると結構面白い発見があったのである。
四文字熟語には以下のようなものがあった。
紅口白牙(こうこうはくが)・・・赤い唇と白い歯の意から美人を指す。
朱唇皓歯(しゅしんこうし)・・・赤い唇と白い歯の意から美人の形容。
明眸皓歯(めいぼうこうし)・・美しく済んだ瞳と、白く整った歯で美人の例え
この中で、かろうじて記憶にあったのは、「明眸皓歯」だけであった。
ただ、これもうろ覚えで、確信があったわけではない。
さて、こうやって見ると、上記のいずれにも条件として挙がっている「歯並びの良さ」というのは美人には欠かせない要素のようである。
それに、唇というのも美人の条件としては注目度が高い。
逆に、眉や目に着目して美人を表す言葉は見つからなかった。
これはちょっと意外だったが、四文字熟語に限定しなければ、なにか適切な表現があるのかも知れない。
インターネットで調べたこの知識を、私は久しぶりに「手書き」で、ネタ帳に使っているノートに書き写した。
そのノートを後日、件(くだん)のバーへ持参したのである。
帰りは月の美しい夜でした。
つづく