浸透させるのが意外に難しい内部への理解―そもそも社長の「情報発信(アウトプット)」は誰に向かってのものなのか―Ⅱ
新聞ではスタッフ紹介も・・・
「情報発信(アウトプット)」は誰に向かってのものなのか?この問いに対する第1議的答えは、やはり、外部のマーケットに向けたものであり、それは具体的には「顧客及び顧客候補者を含む外部のマーケット」ということになります。
ただ、ここにとどまらないのが、私がお勧めする「情報発信(アウトプット)」であることを理解していただきたいのです。
なぜならば、経営者が行なう「情報発信(アウトプット)」に関しては、もう一つの方向性を忘れてはいけないからです。
それは、社内のスタッフに対するものでもあるということです。
いくら、外に向かって社長がそれまでに考えたとっておきのコンテンツを発信してみても、そのことが同じ組織内の人間に理解されていなければ、その説得力は半減します。
社長の孤軍奮闘では、本当の意味の「情報発信(アウトプット)」は難しいのです。
社長の発信する情報は、それを初めて聞く外部の人間より手前の段階で、こちら側のスタッフには共有されている必要があります。
また、社長により身近な人間であるだけに、その理解度は外部の人間よりも深いものでなければおかしい、といえるでしょう。
しかし、このことは意外に難しいものです。
日々、ルーチンの仕事をこなすことに忙しい社員に、社長が発信するすべてのコンテンツを把握し理解しておくように、というのはそれほど簡単なことではありません。
自分の書いたブログやコラムを全社員にすべて目を通しておくように、というのは、トップの立場でもなかなか言えないのではないでしょうか。
実現する具体的な方法としては、幹部社員には必ず目を通しておくようにと伝え、彼らからその部下に伝えてもらうようにすべきでしょう。
ただしこれでは、知るタイミングが、ブログやコラムの一般読者と何も変わらないことになります。
なにもコンテンツ通りそのまま話さなくてもいいので、ミーティングや朝礼などを通じて、普段から自分の考えや方向性など、よく伝えておくべきだろうと思います。
つづく