社会全体の「購買意欲」が格段に下がってしまった現代―3つの「しょうき」が企業を成長させる―Ⅰ
日本が高度経済成長期にあった昭和の時代、世の中に「商機」というのはいくらでもありました。
需要のほうが供給よりもはるかに大きかったからです。
人々の欲望に対して、まだまだモノが足りていない時代でした。
昭和のそんなころが過ぎ去り、ある程度モノがいきわたる時代になっても、日本人には欲しいモノがまだまだありました。
今度は生活必需品というよりも、やや贅沢なモノにその対象は変わっていったのです。
わかりやすく言えば「品質」やネームバリューにこだわるようになったということです。
それは、海外の高級品であったりブランド品であったりと中身は変わっても、日本人のモノ志向はしばらく続いたのです。
しかしながら、バブル崩壊後、平成に入ってしばらく経ち、日本の労働人口や総人口が減少に転じたあたりから事情が大きく変わってきました。
人々の意識が変化してきたのです。
人口減少は今でも、高齢化社会の進行とペアになってかなりのスピードで進んでいます。
高齢者が年齢とともにモノを欲しがらなくなるのは一つの必然といえますが、それとはまた別の事情で、今の時代、若者もあまりモノを欲しがらなくなっています。
つまり、老若男女、社会全体の「購買意欲」というものが、昔と比べて格段に下がってしまったのです。
こんな時代に「商機」をつかむのは、かなり難しいと言えるでしょう。
経済的な背景がシュリンクするこういう時代に「商機」をつかむには、こちらから相当な「仕掛け」をしていく必要があります。
常に能動的かつ前向きに、何かを仕掛け続けなければ「商機」を掴むことはできないでしょう。
それではいったい、何を仕掛ければいいのでしょうか。
私は、それはすべてのビジネスパーソンが今取り組んでいる業務の中で
「これからビジネスチャンスにつながりそうなあらゆること」
と考えています。
トライ&エラーを常に繰り返し、「商機」に繋がりそうなことはすべて試してみる必要があります。
そうしなければ何が本当の「商機」につながるのか、判断することができないからです。
欲しいものがあるような、ないような・・・・
つづく