「情報発信(アウトプット)」という応用編まで実践する―社長は世の中の期待に「応える」存在、「答える」だけでは不充分―Ⅳ(おしまい)

通常「答える」だけの仕事の方が楽な我々は、より複雑な経営の世界の課題になかなか応えようとしませんでした。

これからは、専門家ならではの発想やアイディアをもって応えていかなければなりません。

専門性を掛け合わせて、有効な手立てを考え、それを提案していくのです。

 

さて、ここまでは実務サイドの話です。

専門性にさらに「応用編」が大事、と書きましたが、経営者にはもう一歩進んだ「応用編」が待っています。

 

それは、私が常々提唱している「情報発信(アウトプット)」においてです。

実務として頼まれた訳でもない「情報発信(アウトプット)」こそが、経営者が世の中に対して行なう「応える」の極致ではないでしょうか。

 

というのは、経営者がSNSやメディアを通じて行なう「情報発信(アウトプット)」の中には、まさに「検索」では出てこないような、様々なエピソードを盛り込むことができるからです。

専門世界を生きてきたからこそのエピソードが詰まっているのが、社長の「情報発信(アウトプット)」なのです。

 

ここに仕事を通して掴んできた社長の生き様を投影することができれば、それはまさに世間の好奇心に「応える」ことになるのです。

これは、実務を通した「応える」よりも一段レベルの高い「応える」と言えるでしょう。

 

もちろん、実務を通した「応える」を実行するだけで、十分顧客の満足度は得られるでしょう。

それに加えて、この「情報発信(アウトプット)」という応用編まで実践することができれば、相当な差別化が図られることは間違いありません。

 

つまり、「情報発信(アウトプット)」は、顧客満足度のハードルが昔よりも格段に上がってきた現代において、それに応えるための極めて理にかなった方法論なのです。

ここまで実践している経営者は、まだほんの一握りといっても過言ではありません。

 

とはいえ、頼まれた訳でもない「情報発信(アウトプット)」です。

やらなかったとしても、誰に咎められるわけではないというのも事実です。

 

したがって、「情報発信(アウトプット)」を決定的な差別化戦略として実践するか、しないかは社長の決断と行動力ひとつにかかっているのです。

この期待度マックスな現代的戦略、是非とも前向きに検討されることをお勧めします。

 

 

おしまい