経営者にとって「直観」は極めて重要な資質―社長は「脳内引き出し」の数と質で勝負する―Ⅴ(おしまい)

「直観」をサッと引き出すために必要、かつ大切なのが「脳内引き出しルーム」

この「脳内引き出しルーム」を、きれいに整理された状態に保つのに最良最短の方法がインプットされたデータを一度アウトプットすること、即ち「情報発信(アウトプット)」によってきちんとした形で整理されるのです。

 

そして「情報発信(アウトプット)」は、そのほとんどが「書く」という作業を伴います。

「書く」という作業に取り掛かる中でデータは整理され、ひと通り書き終えた時に、きれいな形で脳内引き出しに仕舞われるのです。

 

この「書く」という作業をはしょって「情報発信(アウトプット)」は成立しません。

ここが苦手という経営者は多いと思いますが、この点についてはどうしても「慣れ」ていただくしかないのです。

 

さて、こうやって整理された「引き出しルーム」をいくつも脳内に持つことで、「直観」という行為が成立するための準備が整います。

また、経営者はこの「脳内引き出しルーム」を持つためのソース(情報源)を手に入れる機会が、ほかのポジションの人間よりも圧倒的に多い存在だといえます。

 

私は経営者にとって「直観」は、極めて重要な資質だと思っています。

というのは、何かを決断しなければならないとき、ほとんどの場合、頭の中でいちいち細々と理屈を組み立てている暇などないからです。

 

また、トップの判断は、ときとして細かい理由など部下に説明している時間も余裕もないことが多いでしょう。

しかしながら、スピードが第一とはいえ、それがいつもいつも的外れでトンチンカンな判断では部下も組織もたまったものではありません。

 

良い「直観」につながる質のいい「脳内引き出しルーム」を持つためには、常にインプットは欠かせません。

と、同時に「情報発信(アウトプット)」も怠りなく続ける必要があります。

この「直観」が的確に働くようになるためにも、経営者は、インプット、アウトプットいずれも怠ることなくチャレンジし続けてください。

 

              読書は大事なインプット

おしまい