「脳内引き出しルーム」をきれいに整理された状態に保つ―社長は「脳内引き出し」の数と質で勝負する―Ⅳ
何かを判断する際に、既存の「知識」や「専門性」を用いることは「直観」ではなく、それは、いわば「判定」であり、もっと言えば「当てはめ」ということになります。
特に、未来に向かって何かを決断する際には、ただそれまでに蓄積された知識やデータだけでは対応できません。
ここでさらに、もう一歩踏み込んで大切な要素があります。
それは、そのインプットされたデータがどのような形で収納されているか、ということです。
これについては、かなり意図的に意識する必要がありそうです。
様々、インプットされたデータは、特に意識しなければ、普通の場合、きちんと整理された形で収納されていることはないのだそうです。
おそらく、グチャグチャの曖昧な状態で仕舞われているのではないかと思います。
そんな状態のままでは、「直観」としてサッと引き出すことはできないでしょう。
しかもそれは、単なる知識として吐き出すものなのか、「直観」として未来へ向かった判断材料として持ち出すものなのかで引き出し方が異なるのです。
それらが使い分けできるように、様々なデータや知識が整理されたきれいな形で「脳内引き出し」に仕舞われていなければ、「直観」が必要なとき、サッといいタイミングで的確に引き出すことはできないのです。
それでは、この「脳内引き出しルーム」を、きれいに整理された状態に保つにはどうしたらいいのでしょう。
整頓された多くの引き出しを持つには、どうしたらいいのでしょうか。
私は、それはインプットされたデータを一度アウトプットすること、だと思っています。
おそらくこれが最良最短の方法です。
理由は簡単です。
インプットされたデータをアウトプットするには、それを咀嚼し頭の中で整理してから吐き出さなければなりません。
グチャグチャな状態で頭に入ってきていた様々なデータは、その工程で一度きれいに整理されるのです。
つづく