旧来の事業資産の上にあぐらをかいていて業績が上がることはない―今、一つの業界で起こっている大きな変化―Ⅲ
HP(ホームページ)をベース基地として、「情報発信(アウトプット)」を怠ることなく続け、新規顧客の数を伸ばしている若手の会計事務所。
一方、そういった努力をほとんどすることなく、売上を落としている、老舗会計事務所。
こういった構造が、次第に際立った現象として表れてきているのが現代のビジネス社会なのです。
会計人の世界でどんなに高名な方でも、外の世界ではそれはほとんど関係ありませんから、普通に「情報発信(アウトプット)」というものは必要になります。
しかし、長く事務所を経営してきていると、おそらくそのことをあまり意識しなくなっているのでしょう。
私が調べてみたところ、HPを持ち、ネット社会をきちんと活用して「情報発信(アウトプット)」を怠りなく行なっているベテラン税理士の数は、驚くほど少なかったのです。
このお話を整理すると、次のようになります。
―キャリアや実績のある会計事務所と駆け出しの始めたばかりの事務所では、当然、処理してきた企業会計や税務の絶対数、税務調査への立ち合いなど場数を踏んだ上でのノウハウ等の蓄積には大きな差がある。
しかし、新規顧客の獲得という競争ラインに立った場合、話はかなり変わってくるのだ。
実績はあるが「情報発信」を怠った事務所と、駆け出しであるが「情報発信」を怠りなく行なった事務所では、その実績に大きな差が表れるからである。
伸びしろとしては、「情報発信」を怠りなく行なっている事務所の方が、はるかに実績を伸ばす可能性が高い。―
といったことになるのではないでしょうか。
これは、会計事務所という業態に限ったことではありません。
他のいかなる業種にも言えることなのです。
つまり、旧来の事業資産の上にあぐらをかいていて、自然に業績が上がることはありません。
そのまま、横ばいということも難しいのです。
何も変わらないどころか、下手をすれば大きく業績を落とすことにもなりかねない、ということなのです。
税務のキャリアだけでは足りません。「情報発信(アウトプット)」しなくっちゃあ・・・
つづく