広域商圏ではより積極的なアピールを・・・―すべての取り組みの前に社長がまずやるべきこと―Ⅲ
長い間、地縁血縁関係の濃い地域社会の中で、商売を成立させてきた地方のビジネス事情。
しかしながら、その地方の商売を支えてきた地縁血縁社会が、過疎化と高齢化という2重の逆風によって崩壊しつつあるのです。
こういった現状を考えると、現代的なビジネスの構築において、いつまでも地縁血縁を主軸にしておくことはもはや得策ではありません。
現在の疲弊状況を脱するためには、少しでも早く現代的なビジネス感覚を持ち、そのような仕組みに切り替える必要があるのです。
「昔から知っている仲だから・・・」という、地縁血縁に依拠したモデルから一刻も早く抜け出して、新しいビジネスモデルの構築が急務といえましょう。
そのビジネスモデルを支えるためには、地縁血縁から脱却したより大きなマーケットの獲得が必須条件となります。
つまり、これまでより広域な「商圏」の設定が必要になるのです。
しかしながら、その広がったマーケットには、これも当たり前のことですが、まだ自社の存在はほとんど知られていません。
したがって、前述のように自社の「存在」を積極的にアピールする必要があるのです。
この理屈は極めて当然のことを言っているに過ぎません。
ところが、特に地方においては、このことが驚くほど理解されていないのが現状です。
地方の場合、企業が取り組んでいる自社の存在を示す媒体は、看板と電話帳広告、チラシくらいなのではないでしょうか。
地方における小規模な商売とはいえ、私はこういった最低限の広告宣伝くらいは当たり前に行なわれていると思っていました。
ところが、この「自社の存在をアピールする」という、当然行なわれるべき企業の取り組みすらかなり怪しいことに気づかされました。
地方においては、看板もちゃんとしたものを出していない会社が結構多いのです。
地方でも中堅企業であれば、テレビやラジオのローカル局でのCMを打つこともあるでしょうが、中小企業がそういったメディアを使うことはほとんどありません。
また、ローカル紙であっても、新聞広告はかなり高額ですので、普通には手が出ないのです。
これは税務署の看板。あまり積極的に見たいものではないかも😅
つづく