夜半過ぎ、本格的な停電に・・・―台風の夜,ただ一人で戦った静かで長い時間―Ⅱ

がっちりとすべての戸締りを終え、吹き荒れる台風に備えて、夜を迎える。

さて、やがて夜半になり、天気はいよいよ荒れてきた。

雨戸がガタガタと大きな音をたてて、時おり強風でしなっているようにも見える。

 

テレビでは「命を守る行動を・・」などと、かなり大袈裟に騒いでいたが、私といえば、台風用にと、なにか特別に準備などはしていない。

ただ、停電中は困ると思い、手元には小型の電池式LED懐中電灯と、手動で電気を起こせる装置のついた懐中電灯を置いていた。

 

この手動発電装置式懐中電灯は、極めてスグレモノで、停電でも電池がなくても、手動式のバネつきモータ-をクインクインと何回か動かせば蓄電できるのだ。

極めてコンパクトにできているので、普段意識もしていなかったが、こういうときは頼りなることがわかった。

               これが完全手動式懐中電灯

 

           パカッと上に開いた部分をクインクインと動かします。

 

また、懐中電灯だけでなく、スマホも手元に置いておく。

いざというときは明り取りにもなる。

ただ、そういう使い方をすると、電池の消耗が激しいため、常にフル充電にしておいた。

 

外は相当荒れ模様になってきたが、まだ停電にはなりそうもないかな、と油断して、少し安心していたところへいきなり真っ暗になった。

「やはりきたか。

と、覚悟を決めようとしていたらすぐに戻った。

そんなことが2,3回続いた。

 

私はリビングで映画を観たり、スマホで動画を見たりしていたが、夜半過ぎ、本格的な停電に入った

仕方がないので、ベッドに入りこの荒れた夜をやり過ごすことにした。

 

幸いなことに、エアコンが止まっても、気温がそんなに高くはなかったようで、寝苦しいということはなかった。

激しい雨と風の音を聞きながらいつの間にか眠ってしまい、気がつくと朝になっていた。

 

まっ先に心配したのは電気がきているか否かである。

なによりも、冷蔵庫の中が心配だ。冷凍食品は、解凍してしまったらできるだけ早く食べるしかない。

 

しかし、現在一人暮らしの私はそれもままならないのだ。

残念ながら、朝になっても停電は続いたままであった。

 

 

つづく