ビジネスモデルの賞味期限はどんどん短くなっている―2段ロケット点火のとき、事業には必ず変革期が訪れる―Ⅱ

創業当時は数々の困難があったにもかかわらず、果敢に新しいビジネスにチャレンジしたはずの創業経営者。

それが、苦労の時代を経て安定期に入ったあとは、次第に保守的になっていくという、お決まりのパターンを取るのは何故なのでしょうか。

 

さて、時代がすっかり変わってしまい、これまでとはまるで異なるビジネスモデルが必要な時代になりました。

例え過去に成功したモデルであっても、相当なリニューアルを加えなくては立ち行かないのです。

 

また、そういったリニューアルを加え続けていったとしても、ビジネスモデルの賞味期限というのは、今どんどん短くなっています。

現在ではかなり短いスパンで上書きすることが求められるのです。

 

創業者が成功を掴んでうまくいった頃は、比較的世の中の流れが緩やかで、一つのビジネスモデルで商売をある程度長く続けることができました。

ところがその頃とは比べ物にはならないくらい変化が激しく、経営に次々と革新が必要な時代に差し掛かっているのです。

 

さらに言い方を変えれば、事業の立ち上げからこれまで苦労して軌道に乗せてきたはずのビジネスにも次のステップ、即ち2段目のロケットに点火すべきときがきているのです。

しかしながら、この2段ロケット理論は、年配の経営者にはなかなか受け入れられませんでした。

 

何故、2段ロケット理論は受け入れられなかったのでしょうか。

それは先述のように、これまではこれでうまくいったのだ、という実績の記憶がどうしても邪魔していたからにほかなりません。

 

さて、どうしても必要とわかってはいるものの、なかなか始まらない2段ロケットへの点火。

その2段ロケットにはどうやって点火したらいいのでしょうか。

点火することが必要なのはもちろんのことなのですが、ただ点火すればいいというものではないのです。

 

ここで、下手な点火の仕方をすれば、ロケットはどこに飛んで行ってしまうか分かりません。

現代を生きる経営者は、時代の要請に合った的確な方向へロケットの頭を向けるという調整を行なった上で、2段目のロケットに点火しなければならないのです。

 

     ロケットの打ち上げ基地のある大隅半島の内之浦を望む。(本文とは特に関係ありません)

つづく