最初はなにもかもが新しいチャレンジだったはず―2段ロケット点火のとき、事業には必ず変革期が訪れる―Ⅰ

税理士という立場で、地方の中小企業経営に関わっていますと、どんな企業にも必ず「変革のとき」がくるのがわかります。(もちろん地方の中小企業に限らず起こり得る現象ですが・・・)

それは多くの場合、創業者が事業を始め、その後軌道に乗せ、安定した時期を経て、変革を必要とする現在の厳しい時代を迎えている、というパターンです。

 

このときよく見られるのが、当初チャレンジャーだったはずの創業者も、一度成功の時代を経て安定した経営を経験すると、そのプロセスで彼なりの経営観や経営手法ができあがってしまっている、ということです。

そして、その彼の中で固まってしまったそれらの考え方ややり方というものをなかなか変えようとはしなくなります。

 

創業当時を思い出してみれば、最初はなにもかもが新しいチャレンジだったはずです。

次々と起こってくる難しい課題や逆境も、すべてそのチャレンジ精神で乗り切ってきたのではないでしょうか。

ところが、ある時期からさっぱりそういった変化を受け入れようとしなくなるのです。

 

つまり、事業を始めた頃はいろいろな困難な場面にぶつかり、その都度それを乗り切るための苦労をしてきた経営者も、何とか成功を掴み少し安定の時期を経てしまうと、驚くほどそのモデルを変えようとはしなくなります。

それは、成功体験を経て「もうこれでいいだろう。」と思った時期から経営者のマインドが守りに入るからにほかなりません。

 

振り返ってみれば、そのときの成功モデルで、その後しばらくは、ある程度の実績を上げることができました。

それは、それを作り上げるまでに、結構その時代を見据えながら工夫した最新のビジネスモデルだったからです。

 

つまり、うまくいった成功モデルというのは、そのときは時代の最先端だったわけです。

おそらく創業当時の、夢中で事業に取り組んでいるときは、最先端か否かなどということなど意識もしていなかったでしょうが。

 

           創業当時は希望に満ちていたのでしょうが・・・・

つづく