「情報発信戦略」は「第3の広告戦略」―「情報発信」に向き合う社長が極端に少ない理由―Ⅲ

ここまで述べてきた広告に関する2つのパターン。

その中で「情報発信戦略」は、消費者に直接訴求する広告宣伝のように「直接的」「短期的」というよりも「包括的」「長期的」という点で、大きな企業が仕掛けるイメージ広告に似ているといえます。

 

通常、このイメージ広告的なものを中小企業が打つことはありません。

というより、それにかかる費用やノウハウの獲得がネックとなって、取り組むことができませんでした。

 

ところが、SNSを通じた「情報発信(アウトプット)」が可能なった現在、これ(イメージ広告)に近いことが中小企業にもできるようになったのです。

このメリットは計り知れないと言えるでしょう。

 

中小企業は、これまで、自社の事業内容や思い入れの強い商材などについて、イメージ的にではなく、もう少し具体的に突っ込んだアピールの場が欲しかったのです。

その中小企業にとって、そういったアピールの手段が、いろいろと選べる世の中になったことは大きな進歩といえましょう。

 

それでは、中小企業の「情報発信戦略」というのは、大企業のイメージ広告とどこが異なっているのでしょうか。

それは

「直接商品を売り込むものではないという点では似ているものの、だからといって、イメージといった抽象的なものをアピールするものでもない。」

ということになると思います。

 

このように、中小企業が実践する「情報発信(アウトプット)」というのは、今までの広告に関する判断基準では括りきれない性格を有しています。

そこで、私は、「情報発信戦略」を「第3の広告戦略」と銘打っているのです。

 

経営者が行なう「情報発信(アウトプット)」においては、自社の出自や歴史、理念、哲学、使命感、思い入れといった内容に度々触れることになります。

また、具体的にはそれらを背景に開発された商材、サービスの内容などにも言及することになるでしょう。

 

そういった情報を目にしたり耳にした人は、それが直接的な広告宣伝でなくても、その中身に興味を持てば、自発的に検索することに繋がります。

つまり、消費者側に選択する権利を与えた形になるのです。

 

             PC一つで情報発信戦略は可能

つづく