「情報発信(アウトプット)」は、大きな果実を得るための「先行投資」―社長は何に先行投資すべきなのか―Ⅲ(おしまい)

戦略的経費の一つである「広告宣伝費」は、企業が日常的に支出する「先行投資」という意味では、少し特別なコストといえるかも知れません。

ただ、「広告宣伝費」の大きな欠点は高コストである、という点です。

そのために中小企業では、大企業ほど戦略的な支出として継続することができません。


広告宣伝にのみ頼らないで、自社をアピールする方法はないものでしょうか。

そこで中小企業向けの最適な手法として考えられるのが、「情報発信(アウトプット)」ということになります。


ところで私が推奨している経営者による「情報発信(アウトプット)」は、いわゆる一般の広告宣伝とは一線を画しています。

それは中小企業にとって、広告宣伝以上の効果的なものになるからです。


「情報発信(アウトプット)」と「広告宣伝」の違いを端的に表現すれば次のようになるのではないでしょうか。

「資金による先行投資が広告宣伝」とすれば、「努力による先行投資が情報発信」と言えるのかも知れません。


大企業はこれまで通り「広告宣伝」に多額の予算を突っ込んでいくでしょう。

それはひとつのパターンとして変わらないと考えられます。


中小企業も「お金のかかる広告宣伝の分野」についてはこれまで以上に研究する必要性はあります。

しかし、それとはまったく別に「情報発信(アウトプット)」を事業の発展にいかに活かしていくかを考えるべきです。


「情報発信(アウトプット)」という努力の先行投資を続けていれば、必ずいい形でそのリターンを受けることになります。

それはSNSをはじめとする、通信環境の劇的な発展を背景にしたデジタル媒体の充実があるからであり、ここで飛び交う情報のインパクトはこれまでの広告宣伝を超えると言っても過言ではありません。


「努力の先行投資」といえば、なにか難行苦行のようなイメージを持つ方がいるかも知れませんが、習慣づけてしまえばそれほどのことではありません。

きちんとした情報を発信していれば、それは次第に蓄積されていきますので、やがて一つの企業資産として機能するようにもなります。


なんといっても「先行投資」という考え方に立てば、それはやがて大きな「見返り」を伴って帰ってくる、とイメージすることができます。

その点においては、通常の経費を使ったときよりも大きな楽しみを持つことになります。


「情報発信(アウトプット)」は、やがて大きな果実を得るための「先行投資」と心得て続けてみて下さい。

それは本当に、思いもかけないほどの「見返り」となって帰ってきます。

 

         デジタル媒体とは真逆の紙による新聞発行。今月のゲラが上がってきました。

おしまい