「広告宣伝費」には戦略的経費としてのポジションを―社長は何に先行投資すべきなのか―Ⅱ

「広告宣伝費」を単なる「経費」としてではなく、「投資」として考えてはどうか、という私の提案。

それも未来への重要な投資である「先行投資」としての意味合いを付加するべきでは・・というのが私の考えです。


大企業では、「広告宣伝費」を戦略経費と位置付けて、昔から一定の予算とポジションを与えてきました。

しかし、中小企業においてはこれを先行投資的な戦略経費と位置付けている企業は極めて少ないと言わざるを得ません。


というのは、「広告宣伝費」は「接待交際費」と並んで、昔から中小企業においては、資金に余裕があるときはやるけれども、資金繰りが苦しくなってきたら真っ先に削る対象の経費だったからです。

税理士や銀行など、外部からのアドバイスも、そういった内容のものが多かったといえましょう。


つまり、中小企業経営において「広告宣伝費」は、戦略的な経費としての位置付けなど与えられていませんでした。

ましてや、企業経営にとって重要な「先行投資」としての考え方などまるでなかったことになります。


私は、まずこの考え方を変えていく必要があると思っています。

広告宣伝は、

「まあ、お金に余裕があるときはやってもいいけど、苦しくなったら削ってしまえばいいや。」

というものではありません。


むしろ、売上が下がって利益が取れなくなってきたときほど、力を入れなくてはならない位置付けのものなのです。

そういう意味では、これまで一般的には逆の考え方をしてきたことになります。


但し、イメージ的にも現実的にもお金のかかるものであることは間違いないので、中小企業の広告戦略は少し工夫する必要があります。

おそらく大企業は、これからもかなりの予算を広告宣伝費に突っ込んでいかざるを得ないでしょう。

大企業同士ではそんな競争状態が当り前になっているからです。


しかし、中小企業ではまるで事情が違います。

マスメディアを使って多額の費用を突っ込み、連続して広告宣伝を打ち続けることなどできません。


しかし、そういった広告宣伝をめぐる環境が、近年、著しく変化してきました。

それは、インターネットなどデジタル媒体の発達によって、お金をかけないで宣伝する方法がいくらでも出てきたからです。


しかも、そういった媒体を利用した方が、むしろお金をかけた広告宣伝よりも効果が高いという逆転現象まで出てきているのです。

これは、中小企業にとってうれしい誤算と言えるかも知れません。

 

     こういうセミナーを開催したこともありました。これも一つの広告宣伝。

つづく