広告宣伝費は「経費」ではなく「投資」?!?―社長は何に先行投資すべきなのか―Ⅰ

経営上の重要な判断の一つに「先行投資」ということがあります。

「投資」ですから「経費」のように、あらかじめ「何々のためにこれだけかかる」といった基準がありません。


つまり、どれくらい投資するかは、こちら側の判断や裁量でいかようにでもなることになります。

あれこれと情報を集め、それなりに期待して、未知のものに投資したのはいいが、1円にもならずに終わってしまった、なんてこともあり得るわけです。


特にビジネス上の「先行投資」となれば、個人が行なう株や不動産などに対する財務的な投資とは明らかに違うものになります。

事業そのものにプラスの効果がなければ、その投資は全く意味がなかったことになるのです。


さて、そのビジネス上の「先行投資」にはいろいろなケースが考えられます。

それは、人材やノウハウに対するものを含め、新しい技術、機械設備、店舗、支店、支社の開設など、その選択肢は実に様々です。


まだ「利」を生み出すかどうか今はわからないけれど、先のプラス効果を見込んで経営者はいわばその投資に賭けるわけです。

「先行投資」に関する判断は、経営者の最も重要な仕事の一つといっても過言ではありません。


そんな中で、特に「先行投資」と意識していないにもかかわらず、日常的に行なっている「先行投資」があります。

それはいったい何でしょうか。


私は、それは「広告宣伝」と考えます。

「広告宣伝」はその効果がどれほどあるか分からないにもかかわらず、ある程度の予算を突っ込みます。


もちろん会計上「広告宣伝費」は経費で落とすことができますので、投資ではなくて経費である、というのが一般的な基準ではありますし、企業会計上もそのように処理します。

しかしながら、考え方としてはまだ未知の、しかもプラスの作用に期待する「先行投資」と言って構わないのではないでしょうか。

 

            真夏の太平洋(本文とは特に関係ありません。)

つづく