「第4次産業革命」を新型コロナウイルスが早めるのか・・―「働かないおじさん」特集に見る日本のビジネス業界事情―Ⅺ

在宅勤務という勤務形態の受け入れを余儀なくされたのが、今回の新型コロナウイルス禍におけるビジネス上の大きな変革であった。

ここで、テレワークやリモートワークというテクノロジーをどうやって使いこなすか、これが大きなテーマとして浮上してきたのである。


これは大企業、中小企業を問わず日本に突き付けられた大きな課題の一つであろう。

この点に関して、このコラムでは「中小企業の大廃業危機」という小見出しで次のように述べている。


―テクノロジーというのは、開発されても、その利用が進むまでには大きな谷があるものだが、今回、多くの人がテレワーク関連テクノロジーに強制的に触れざるを得なくなった。

このように、新型コロナウイルスによって、その谷を一気に越えるテクノロジーが続々と出現するだろう。

そうやってテクノロジーによる仕事の代替が加速することになる。


AIやビッグデータなどのIT技術による技術革新を「第4次産業革命」というが、その革命を新型コロナウイルスが早めることになるだろう。―


確かに、テクノロジーというのはそれがいかに優れたものであろうとも、世の中に普及するまでは一定のタイムラグがある。

私は比較的抵抗なく受け入れてきた方だと思っているが、一般的にはどうなのであろうか。


特に日本国という、国家単位での意識の持ち方が気になるところである。

おそらく、先進諸国の間では、ことデジタル系の変革の受け入れに関して少し反応が遅かったのではないか、と私は思っている。


それは、日本民族が能力に乏しかったからというよりも、一般レベルまでいわゆる「読み書きそろばん」が、普通にできる環境にあったがために、却って遅くなったのではないかと考えられる。

また、現金決済における信用性が高い国民性というのも、デジタル化に対しては逆に作用したのかも知れない。


しかし、上記のように今回の新型コロナウイルス禍は、その谷を一気に埋めた感はある。

私の事務所にも、或る社長さんから

「一刻も早く、パソコン会計を取り入れたいのだが・・・」

という問い合わせが入った。

これまで、頑なにコンピュータ会計の導入を拒否されていた社長自らが、わざわざ向こうから連絡をしてこられたのである。


このように、自分から変革を受け入れられるケースを含めて、ほぼ強制的に変わらざるを得ない状況に中小企業も追い込まれることだろう。

今後、中小企業がどのように変わっていくのか、我々のような立場からも目が離せないのである。

 

        パソコン会計入れてくれぇ~!!との問い合わせが・・・・・

つづく