追い求める「完璧さ」が世界のトレンドとズレてしまっている―メイドインジャパンンの不振からビジネスを考える―Ⅱ
「余計な機能が多くて割高」「過剰品質」と揶揄され、中国や韓国、アメリカの製品に市場を奪われて、苦境に立たされているのが、家電をはじめとする「メイド・イン・ジャパン」の工業製品。
かつて日本の独壇場だったこれらの工業製品が、世界の市場で通用しなくなったのは、そういった余剰機能や価格だけが原因なのだろうか?
その敗因をきちんと探っていくと、そんな単純な話ではないことがわかってくる。
敗因の背景を究明していくことで、これからの日本企業が追求していかなければならない多くの課題が浮かび上がってくるのである。
この記事では、そういった多くの課題の「背景」について、さらに次のように述べられている。
―主な敗因は、日本のものづくりが変わってしまったと言うよりも、「変われなかった」点にある。
日本のものづくりは、昔から変わらず今でも完璧主義で、妥協がない。
しかし、追い求める「完璧さ」が世界のトレンドとズレてしまっているのだ。―
ここで極めて重要なキーワードが登場する。
それは「変われなかった」という言葉である。
「変われない」つまり「変化対応ができない」というのは、家電メーカーといった大企業だけの話ではなく、中堅、中小企業まで含んだ日本全体の問題だからである。
この課題を克服できるか否かが、今後の日本経済の行く末を決定づけるといっても過言ではない。
この課題(「変化対応」ができないという)に対する中小企業の向き合い方については、これまで私もいろいろと発言し書いてもきた。
「変化対応」は大企業、中堅企業、中小零細企業を問わず、日本の企業全体が抱える大きな課題なのである。
それはつまり、経済全体が抱える課題と言っても過言ではない。
今回この記事では、大手メーカーのこういった課題に対する問題点を指摘しておられるので引き続き見ていきたい。
日本の完璧主義が世界のトレンドからズレてしまっている、とはどういうことなのであろうか。
日本企業のたそがれはいつまで続くのか・・・
つづく