「男の色気」という点では、この人の右に出る人はいない―憧れる男の生き様・・先輩男性俳優から見える国別カッコいい男たち―Ⅳ
さて、フランスのアラン・ドロンに次いではイタリアのマルチェロ・マストロヤンニです。
マルチェロ・マストロヤンニは1924年生まれ、アラン・ドロンより11歳年上になります。
残念ながら、1996年、72歳の若さで亡くなっています。
アラン・ドロンとは、同時代を代表するヨーロッパの俳優と思っていましたが、案外年は離れていたようです。
マルチェロ・マストロヤンニが長生きしたとしても、さすがにもうこの世にはいないかな、と思われる年齢ではありますね。
私がこれまでいろいろな映像を見てきて「男の色気」という点では、この人の右に出る人はいないだろうな、と思わせるくらい、なんともいえないちょっとした翳りや甘い雰囲気を漂わせています。
色気という点では、世紀の美男子アラン・ドロンもこの人にはかないません。
典型的な二枚目にもかかわらず、どこか隙のあるユーモアを漂わせて、そこがまた女性のハートをくすぐり続けたのではないだでしょうか。
実際、そのプレイボーイぶりは図抜けていて、ソフィア・ローレン、フェイ・ダナウェイ、カトリーヌ・ドヌーヴといった超一流どころと浮名を流しています。
映画「ひまわり」で見せたどこか頼りない男の姿、というのがこの人の真骨頂かも知れません。
また、アラン・ドロンと違うのは、コミカルな演技をさせても全く違和感なくハマるというところです。
イタリア人男性らしく、ファッションにもこだわりがあったようで、私の印象では、映画の衣装以外は大抵がダークスーツに白シャツ、ソリッドのネクタイといった感じです。
それでもそれがピタリと決まっていて、彼のスタイルというものを作っているように見えます。
日本では、カネボウの「バルカン」と男性化粧品のCMに起用されており、今でもユーチューブなどで観ることができます。
一編の物語のようなこのCMでは、短い時間の中で、人生の深淵を垣間見るようなシーンが展開され、この人の佇まいやずば抜けた演技力にはまさに脱帽させられます。
男の色気という点では、是非参考にしたいものだ、と惹かれる人ではありますが、「まあ到底無理無理!!」と、さっさと白旗を上げた方がまし、と思わせるほどはるかな魅力を持った俳優でもあります。
昔の俳優は煙草姿が多く見られます。
つづく