抜群の運動神経、際立った俊敏性―憧れる男の生き様・・先輩男性俳優から見える国別カッコいい男たち―Ⅴ

さて、フランスのアラン・ドロン、イタリアのマルチェロ・マストロヤンニとヨーロッパのスター二人に続いて、アメリカを代表する憧れる男としてスティーブ・マックイーンを選びました。

ほとんど同列で、クリント・イーストウッド、ポール・ニューマンの二人も挙げられますが、今回はファッションアイコンとしても改めて見直してみたかったので、スティーブ・マックイーンに白羽の矢を立ててみました。


スティーブ・マックイーンは1930年生まれで1980年、50歳の若さで亡くなっています。

なんとも早い死で残念ですが、残した映画作品は結構印象的で、私も何本も頭に思い浮かべることができます。


なんといっても強烈だったのは、刑事役を演じた1968年制作の「ブリット」です。

この映画の、サンフランシスコを舞台にしたカーチェイスシーンにはすさまじいものがありました。


私はほぼ封切と同時に観たのですが、のちのち、このカーチェイスシーンが映画史上最高と言われることになるとは、そのとき思いもしませんでした。

それほどこのシーンには迫力があったのです。


そのほかに「華麗なる賭け」「大脱走」「ゲッタウェイ」「荒野の七人」「パピヨン」と、短い人生の割には記憶に残る作品に多く出演しています。

亡くなって40年経った今でも人気が衰えないのは、こういった作品を通じてアメリカを代表する俳優との印象が、強烈に人々の頭に刻まれているからなのかも知れません。


スティーブ・マックイーンの持つ最も際立った印象は、その俊敏性にあるような気がします。

白人俳優としてはどちらかといえば小柄だった彼には、私の場合、抜群の運動神経の持ち主という印象を持っています。

実際、「大脱走」のバイクシーンではスタントを行なっていますし、「栄光のル・マン」の運転シーンでは自分でハンドルを握っていたようです。


彼の場合、スーツ姿もきまっているのですが、ジャケット姿やブルゾンを羽織ったときのラフな装いが何ともカッコいいのです。

亡くなって40年経った今でも、男性雑誌などでその生き方やファッションが、度々特集として取り上げられるのは彼くらいではないでしょうか。


どこまでもいい意味でのアメリカ臭さが残るスティーブ・マックイーンという俳優。

私も、休日などプライベートで普段着を羽織るとき、ふと、彼だったらどんな男っぽい装いをするかな、と頭をよぎることがあります。

私にとっても一つのファッションアイコンとして、離れがたい存在なのです。

              G9を羽織った彼の姿。カッコいいです。

つづく