アラン・ドロン、20世紀を代表する世紀のイケメン―憧れる男の生き様・・先輩男性俳優から見える国別カッコいい男たち―Ⅱ
4か国から、私がその存在自体がカッコイイと思う俳優を上げてみました。
いずれも独自の個性を持った、先輩たちといえます。
さて、この中で、フランスの俳優アラン・ドロンは図抜けた美男子で、20世紀を代表する世紀のイケメンと言っていいでしょう。
かなり年老いた現在でも、往年の2枚目ぶりを彷彿させるオーラを放っています。
若い頃は、その美男子ぶりやあからさまな上昇志向がギラギラし過ぎていて、どこか品のなさが表に出てしまっています。
しかし、30代40代と中年になるにつれて、そのギラギラ感が渋さに変わり、どんどんカッコよくなっていく様は、まさに驚嘆に値します。
アラン・ドロンには、30代初めに撮った主演作、映画「サムライ」で見せたような、どこか人を寄せ付けない鋭い刃物のような冷たさがあります。
そして、そのやや陰のある雰囲気はその後もずっと持続されていくのです。
日本での人気は絶大で、かつて来日したときなど、その熱狂的な歓迎ぶりは、語り草になっているくらいです。
特に女性のそれには、今当時のビデオなどで見ても驚かされます。
「スクリーン」という映画雑誌でも、何年にもわたって男性俳優人気ナンバー1を誇っていました。
おそらく今は、そんな絶対的な存在という人はいないのではないでしょうか。
先般、1980年代、日本に来たときのインタビューをユーチューブで観ましたが、48歳にもかかわらず、そのイケメンぶりには唖然とさせられました。
あんなカッコいい48歳なんて世の中に二人といないだろうなあ、と思わされた美男子ぶりでした。
一般的に、美男子の俳優としての大きな成功は難しいといわれています。
顔に頼りすぎて演技がついてこれないと批評され、また年を取って顔の美しさが崩れてきたとき、それをうまく収集できない、と言われるからです。
イケメンがハンディになるとは、世の中何とも皮肉な話です。
しかし、アラン・ドロンの場合は、そういった一般論など超越した美男子であり、彼の努力もあって、「美男子にもかかわらず、俳優として大成した稀有な例」と、いわれているのです。
映画「サムライ」で見せたコート姿。
つづく