ファッションもビジネス、売れなければどうにもならない―踊らされないためには・・「仕掛け」に乗るのか乗らないのか!?―Ⅵ

服を買うのを1年間やめよう、と呼びかけるキャンペーン「ボイコット・ファッション」といった運動まで起こって、厳しい批判にさらされている世界のファッション業界。


こういった運動に対して、ファッション業界の方も、然るべき回答を示さなければ、世界の流れは納得しないだろう。

業界側はいったいどのように動くことで、こういった世界の流れに応えようとしているのであろうか。


今年5月、ようやく業界側からも、改革に向かっての動きがみられることになったようだ。

その動きに関してこの記事では次のように紹介している。


―ベルギーを代表するデザイナーのドリス・ヴァン・ノッテン氏らがネット上にファッション業界への公開書簡を発表した。

販売シーズンの正常化に加えて、持続可能性向上のため、①過剰な生産、生地や在庫の廃棄を減らす②デジタルショールームを活用して、関係者の出張を削減する――などを提言した。

これまでに世界各国のCEO(最高経営責任者)やバイヤー、デザイナーら800人が賛同して署名している。―
ということらしい。


以前、「プラダを着た悪魔」という映画を観たが、あれを観ると確かにファッション業界の異常性というものが伝わってくる。

キリキリと研ぎ澄まされたセンスの中で次々と流行を追う業界は、世の中の一般的な感覚など、ダサくて鼻も引っ掛けない、といった一種傲慢なチョー上から目線の世界である。


そうやって、自らの論理で「ついてこれないセンスのない奴らなどどうでもいい」といった世界観を醸成していったのではないだろうか。

しかし、ファッションもビジネスである。

売れなければどうにもならない。


ましてや、環境問題を盾に攻撃を受けるようになったのでは、ビジネスとしては極めて厳しい立場に立たされざるを得ない。

ただ売れないどころか、踏み込んでボイコット運動まで広がりそうな勢いである。


これに対して、上記のような提言が起こったのは当然といえば当然の動きなのだろう。

こういった業界の中から起こった運動が今後どのような動きを見せていくのであろうか。

 

 

 

つづく