コート、コート、コート・・・・コートについて思い出すことⅣ

日本のライセンス商品とはいえ、バーバリーのトレンチコートを買った私は、その防水機能を思いっきり試してみたくなった。

そういうわけで、コートと共地のレインハットも購入して、雨の日、その帽子とコートだけで傘を差さずに表を歩いたのである。

 

ところが、日本の土砂降りはイギリスのそれとは違い、激しく全身を打ちつけたのである。

おそらくロンドンなんて霧雨に毛が生えた程度の雨しか降らないのではないか。

家を出て大学についたときは全身ずぶぬれであった。

 

が、さすがはバーバリー、コートの中に着ていた服はほとんど濡れていなかったのである。

ただ、レインハットは、頭のてっぺんでもろに叩きつける雨を受け続けていたせいか、さすがに少し水が染みてきていた。

 

今でも傘をさすのはめんどくさくて、少々の雨なら着ているもので防げないかと思う私であるが、さすがに日本の土砂降りの際には、それは諦めた方がいい、と悟ったのである。

長く手元に置いていたバーバリーのコートであったが、サイズが完全に合わなくなって数年前に手放した。

あのレインハットは今でも使えると思うのだが、どこに行ったのだろう?

 

あと、学生時代、冬の寒さに耐えるために(昔は今よりだいぶ寒かった)私が買ったのは、ダッフルコートであった。

メーカーはIVYブランドのKent(ケント)のもので、色はグレー、厚手のメルトン生地だった。

 

ダッフルコートは、フードが一体になったものがほとんどである。

通常のボタンではなくて、コートの前についているループになにか小さな棒状のものを引っ掛けることで、フロントを合わせるようにできている。

この引っ掛けるためのひもや小さな棒にいろいろな素材があって面白いのだ。

 

私が買ったKentのものは、皮のループが付いており、棒の方は水牛の角を加工したものであった。

もともと海軍で使われていたものらしく、手袋をしたまま脱ぎ着できるようにボタンではなく、ル-プに引っ掛ける形式になったと書いてあった。

 

   写真は白黒ですが、ベージュのダッフルコートで「モンティ」と呼ばれています。

 

つづく