コート、コート、コート・・・・コートについて思い出すことⅤ
そもそもの出自が「海軍」といわれるダッフルコート。
船上の軍人全員がダッフルコートを着ていたとすれば壮観だな。
確かPコートも、その始まりは同じように海軍に採用されたものだったはずである。
ダブルの前合わせが左右どちらからでもOK、という点においても両者は似ている。
ダッフルコートとPコートが「海軍」だったとすれば、同じ軍隊から発生したといわれるトレンチコートは「陸軍」になるのか?
確かに海の男にトレンチコートは似合わないかな、と思う。
こう見てくると、コートという衣料は、軍隊と切っても切り離せない関係にあるようだ。
戦場ではいかなる窮地に立たされるかわからない。
そういった極限の状況でも兵士の身を守るという役割が、これらのコートにはあるから、機能的に見ても魅力のあるデザインに仕上がっているのだろう。
さて、そうやっていろいろなコートに手を出してきた私であるが、ちょっとほろ苦いというか気まずいというか、周りから大いに笑われてしまった思い出が一つあるのだ。
まあこれは、コート自身には何の罪もないお話なので、私の独り相撲みたいなエピソードではありますけれど・・・
これも大学生の頃の話で、普段のカジュアルな感じでもOK、少し改まった場所でもOK、という両方いけるコートを探していたことがあった。
そのときは、どういう心境か、ステンカラーとかトレンチとかダッフルとかではない、他人とカブらないタイプのものが欲しかったのである。
そうやって、あれこれ検討していたら、デパートでカメラマンコートという奴を見つけた。
カメラマンが撮影の際いろいろな機材を取り出したりしまったりするのに便利なように、ポケットがあちこちにいっぱいついて、それがまたデザイン的にもカッコよく見えたのだ。
あまり、一般的なコートではないので、他人(ひと)とカブることも、まずなさそうである。
よし、これなら良さそうだ、と決断して購入、それを着て正月の冬休み、東京から田舎に帰った。
これは春先、薄手のスプリングコートを着ていますな。(今よりだいぶ太っている・・)
つづく