コート、コート、コート・・・・コートについて思い出すことⅢ
さて、その後2度と行くこともなかった日本橋三越にトレンチコートを買いに行った私だったが、買って帰ったコートがどうも気に入らない。
エポーレット(肩章)や袖口のベルト、腰のベルトに付いているDリングなどすべてが装飾過多に思えて、そのまま着るのが恥ずかしかったのである。
というわけで、上京して初めて買った重衣料であるトレンチコートは買い替える羽目になった。
再び、日本橋三越まで引っ返して、もっとシンプルなものと交換してもらった。
今思い出せば、最初に買った奴(確か「エドワード」というブランドだったような・・・)の方が本格的でカッコよかったのではないかと思う。
なんにしても田舎から出てきたばっかりの、ダッサい学生(当時浪人生)には、コート一つまともに選ぶ眼力もセンスもまるでなかったのである。
その後、大学に入学して最初に買ったのもトレンチコートであった。
考えてみればよほどトレンチコートが好きだったと見える。
つらつら思い出してみるに、当時フランスの俳優アラン・ドロンの「サムライ」という映画がヒットしていた。
アラン・ドロンが映画の中で着ていたトレンチコート姿がめちゃくちゃカッコよかったので、それに強く影響されていたのではないかと思う。
まあ考えてみれば、アラン・ドロン様と同じように着こなせるはずもなかったのだが・・・
そのときのトレンチコートは、少し無理をしてバーバリーのものを購入した。
色は一番代表的なカーキというか玉虫色というか、グリーンのがかったベージュというか、微妙な色合いだった。
同時に同じ生地のレインハットも購入した。
少々の雨なら、バーバリーのコートはその生地自体の機能ではじいてくれる、と聞いていたので、雨の日、傘を差さずにコートだけで歩いてみたかったからである。
アラン・ドロン、コート姿がとにかくカッコいい
つづく