昔に比べてかなり変わってきた採用に際しての人材事情―人の評価「ブランドじゃんけん」について考える
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人的ブランドというものを、ここまで東大出、或いは東大出+α(アルファ)というサンプルを中心に考えてきた。
極端な事例ということは承知の上で、ここを、さらに掘り下げていったらどうなるだろうか?
日本の場合、総合的な地頭(じあたま)がいいとか、わきまえがあって使いやすいという理由で、有名大学や体育会系出身の人材を優先的に採用してきた歴史があると思う。
しかし、これからはどうなのだろうか。
先述の、大学は行かなかったけれど、コンピュータプログラムならバンバンOKなんていう人材は、どちらかと言えば組織的には使いにくい可能性が高い。
しかし、それくらい突出した人材を使いこなせなければ、世界と伍していけないということもあるのではないか。
私がこんなことをつらつら考えるのも、私の事務所の人材事情が昔に比べてかなり変わってきたからである。
父が税理士事務所を開業して、人を採用し始めた50年くらい昔は、とにかく地元の高校(商業高校が多かった)を出た男性を中心に雇用していた。
中途採用もあったが、その場合も、当時、大学卒というのはほとんどいなかったし、田舎の税理士事務所ではそういった考えられなかったのである。
さて、高校を出たばかりの人材であれば、まず先生か先輩にくっついていって丁稚奉公のように仕事を覚える、というのが当たり前の世界だった。
今みたいに「働き方改革」など影も形もない時代だったので、おそらく勤務時間などあってないようなもので、先生にくっついて一生懸命仕事を覚えたのであろう。
今、そういった働き方の現状も、父から私の代になって、だいぶ変わってきたといえよう。
一つには人材の多様性という点では、明らかにいろいろなタイプが増えてきている。
また、先述の学歴についても、大学を卒業した人材の応募も以前よりは増加しているのだ。
社員みんなでバーベキュー風景
つづく