風化してしまったなあ・・・
―クリスマスと言えば思い出すこと―Ⅰ
何十年ぶりだろうか。
たったの一人のクリスマスイブである。
いや、こんな風に完全に一人というのは本当に初めてかも知れない。
結婚してからはもちろん、独身のときも、一人というのはなかったような気がする。
これが若い頃だったら、もっとひしひしと寂しさを感じたのかも知れないが、どうということもなく聖夜は過ぎていく。
核家族で、子育てに四苦八苦している娘たちのもとへカミさんが行ってしまってから、もうずいぶん経つ。
あれから一人暮らしの日々を過ごしているうちに、世の中では様々な催事があったが、そんな中とうとうクリスマスも来てしまったという感じだ。
今夜も一人で料理をして食った。
週末とか休日ならともかく、今日は火曜日、完全な平日だ。
これが週末だったら、私もトボトボと、街にでも繰り出していたのかな・・・
考えてみれば、独身の息子も一人で過ごしていることだろう。
あいつも、少しはわびしさを感じているのだろうか。
例年、12月になるといろいろなタイプのクリスマスソングを収録したCDを車に持ち込んで、クリスマスが終わるころまで流していたが、今年はそれもすっかり忘れていた。
遅まきながら、今日一日でも聞いてみようかな、とさっき何枚か取り出してみたところだ。
とまあ、こんな風にクリスマスといっても、ここまで年を重ねてきた自分の中ではかなり風化してしまっている。
子供頃や若い頃感じていたワクワク感や高揚感といったものはすっかりなくなってしまったなあ・・・と、ややわびしさを感じるこの季節なのだ。
これはちょいと昔の写真です。
つづく