ダッフルコートⅡ(おしまい)
ダッフルコートは、昔、IVYブームの頃に、その人気に火がついたらしい。
同じように、ダブル前合わせのPコートも人気があった。
Pコートは分厚いメルトン地の濃紺のものを持っている。
だからなおさら、ベージュのダッフルコートが欲しいところなのだ。
どちらのコートも、セーターやトレーナーの上からガバッと羽織れるので、大学生には重宝がられたのではないだろうか。
私服OKの高校であれば、高校生くらいが羽織ってもきっと似合うだろう。
むかしの映画では大学生役のジャック・ニコルソンとアート・ガーファンクルが羽織っている。
私も大学院生の頃、イギリスのデザイナー、ポールスミスのものを手に入れたことがある。
結構長く持っていたのだが、ものすごく重い一品だったので、あまり着る機会はなかった。
そのうち、シルエットなどが古臭く思えたのと、ダッフルコートそのものが流行おくれのようになってしまい、手放してしまった。
今考えれば取っておけばよかったな、と後悔している。
いったんは手放したものの、ダッフルコートはやはり好きだったので、気に入ったものがあればまた買おうとは思っていた。
しかし、先述のようなベージュで前止めが麻縄とトグル使用という、ドンピシャな一品がなかなか見つからず、いまだにずっと探し続けているのである。
今度、いいものを手に入れたら、流行に関係なくずっと持ち続けていようと思っている。
考えてみれば、人生あとそんなに残りが多いわけではない。
着るものも、できればお気に入りの上質でベーシックなものを長く愛用したいと思う。
まあそんなわけで、冬のコートにダッフルが欲しいな、と思っている私ではあるが、車社会の田舎暮らしでは、実際はそんなに着る機会もないだろう。
もし手に入ったならば、年末年始とか冬に上京した際に、そいつを羽織って表参道や青山あたりを散歩したら楽しいだろうな、と妄想しているところである。
早く見つからないかな、お気に入りの一品。
おしまい