ダッフルコート Ⅰ

ずっとダッフルコートを探している。

「ダッフルコートだったらいくらでも売っているじゃないか!」

と、言わないでいただきたい。

実は私の指名の色やデザインがあるのだ。

 

まず色はキャメル。

ベージュという言い方もできる。

とにかく薄い茶系のあれである。

 

あとこだわるのは、コート前のとめ方である。

ダッフルコートは、ボタンとかファスナーではなくて、左側の輪っかになったひも状のものに、反対側についている留め具を通して前を合わせる。

言葉で書くと何となくややこしいが、目で見ればそんなに難しい話ではない。

 

この前合わせには、いろんな種類がある。

よく使われるのは皮でひもを作り、留め具に水牛の角を材料に使ったものである。

 

しかし、私が欲しいのは皮や水牛の角ではない。

 輪っかを麻ひもで作り、留め具を木で作ったタイプのものである。

木で作ったものは通称「トグル」と言われている。

「トグル」とは「浮き」のことらしい。

ベージュのダッフルコートはよくあるのだが、この「麻ひも」と「トグル」の組み合わせのものはなかなか見つからない。

 

ただ、この仕様に近い定番ものにイギリスはグローバーオール社の「モンティ」がある。

これはイギリスの元帥の名にちなんでつけられたものらしい。

ただこれは全体のシルエットとか、ドグルをとめている位置とかが私のイメージとは違っているので、パスである。

 つづく