業界のあり方について根本から考えるⅧ
なぜ私の事務所では、本来別料金を請求すべきであろうサービスを標準サービスの中にあえて含めてしまったのか?
それは前述した、会計人業界と顧客とのまことに不幸な「すくんだ状態」を、こちら側からぶち破りたかったからである。
「経理なんてちょろちょろっとでいいからできるだけ安くやってよ。」
という顧客と
「どうせ値上げなんてできないんだからとにかくコストを下げなくっちゃ。」
と思う会計人。
不毛な思惑の組み合わせがここにはある。
こんな土俵には参加したくもないし、同調する気にもなれない。
もっと建設的な関係を築こうと思ったら、どちらかが建設的な提案を行なわなければならない。
おそらく、黙っていたならば、顧客の側から会計人に対して建設的な意見の表明はないだろうと私は判断した。
それは顧客の側が悪いのではなく、長年、
建設的なサービスをやろうと思えば実はできる、ということを、こちら側が表明してこなかったからである。
それどころかいまだに
「そんなものは我々の仕事ではない!」
と、私が表明しているようなサービスに激しく抵抗感を持つ会計人も多い。
つづく