文学的味付けでインテリジェンスの香り高い表現に・・―社長の「情報発信」あるべき姿・・・香り高い文化度―Ⅳ
経営者による「情報発信」は、「商業的に見えないように」という点と「専門的に走り過ぎないように」という2点については、常に気をつけるべき、というのが私の考えです。
それは何故でしょうか。
経営者の発信する文章がコピーライティング的になったら、読む人はその広告臭さにすぐ気がつくでしょう。
そんな印象を与えてしまったならば、その後読んでもらえなくなる可能性があります。
そういう意味で、経営者の発する文章には、商業的臭いを消し去った一種の格調の高さが大切なのです。
ちょっと難解に感じるかも知れませんが、商業的効果に配慮するよりは普通の感覚でできることなので、言葉からくる印象よりも難しいことではないと思います。
また、「専門的に走り過ぎないように」というのは、「わかりやすさ」と同義語でもあります。
専門用語を駆使してマニアックに書かれたものは、もともとその世界に詳しい人には面白いかも知れませんが、一般の人には極めて取っ付きにくいものになります。
かといって、ただ分かりやすい、というだけでは、底の浅い無味乾燥な文章になってしまう恐れがあります。
そういった平板になりがちな印象を避けるためにも、そこに文学的な要素を加えることで表現が中和され、わかりやすい文章になるのです。
経営者が発信する文章は、自らの事業や専門性といったビジネスラインを外すべきではありません。
プロフェッショナルとしての矜持を、常に意識しておく必要があるのです。
しかし、あまりそれを強く匂わすと商業的と勘違いされたり、難しすぎると思われて、警戒されたり敬遠されてしまいます。
そこで、ちょっと意識して文学的味付けをすることで、インテリジェンスの香り高い読みやすい文章が出来上がるのです。
つづく