「パリ国際会議」に出席して―久しぶりのヨーロッパ短期滞在見聞録―16
さて、ユーロスターで快適にパリからロンドンへと移動する予定だった我々オプションツアー組、今回の旅で最大の危機を迎えました。
「列車が出ないかも知れない!」・・・想定外のピンチです。
添乗員が飛び回って善後策を講じていましたが、結局、案内があるまで駅に並んで待つしかない、ということになったのです。
足止めになったのは私たちだけではありません。
大勢の一般客も同じような条件で並んでいます。
2階に並んでいるのが私たちです。
午前中から並んで、やがてお昼になりました。
トイレや食事もままなりません。
私たちはお互い交代でトイレや食事に行くことにしました。
途中私も、先輩である女性税理士のG先生とそのお連れの女性との3人で列を抜けることにしました。
並んでいた2階から下に降りてトイレを済ませ、食べるところを探すと、スターバックスコーヒーのショップがありました。
暖かい飲み物と軽い食事を済ませて列に戻ろうかと思ったら、G先生が「もうちょっとゆっくりしましょ。」とおっしゃいます。
まあ、並んでいるメンバーにはいささか申しわけないけど、確かに目の前の女性二人にはあの状況は辛かろうと思い、私もしばしお二人に付き合ったのでした。
ごった返す人々の群れ
再び列に戻り、さらに待つこと数時間、突然列が動き始めました。
どうやら出国の手続きまでは、なんとかいきそうな感じです。
ヨーロッパというのは面白くて、こんな風に列車でパリからロンドンに向かう際には、ここパリ北駅で出国手続きとイギリスの入国手続きを済ませるのです。
まず、フランスの出国手続きを済ませたならば、乗車客はそのまま列を作って、その先にあるイギリスの入国手続きのゲートをくぐらなければなりません。
その間は狭い空間で、私たちは幾重にも蛇行した列を作って待つのですが、ここではトイレに行くこともできないのです。
この空間で入国手続きに並びます。
この光景は、なんだか映画やニュースの映像を思い出させます。
私は
「難民というのは、国境でこんな感じで、何時間も時には何日も待たされたりするんだろうなあ。」
と、黙って待つだけの辛さ、を経験しながら様々に想像を膨らませたのでした。
つづく